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スタッフブログ(院内日記) |
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院内で起こったおもしろい出来事、スタッフのひとこと、
院長より皆様にお伝えしたいことを、日々更新いたします。
当院の雰囲気や、皆様の飼っていらっしゃる動物について、
知っていただくきっかけになればと思っております。
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目次 |
更新日 |
更新者 |
動物種類 |
犬のスキンケアについて |
12/6 |
獣医師 泥谷 |
犬について |
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犬のスキンケアについて
はじめまして、代診としてさくらい動物病院で勤務している獣医師の泥谷(ひじや)と申します。
今回犬のスキンケアについてお話したいと思います。
普通皮膚病の治療といえば患部を消毒して、原因となるものを除去すれば治ります。
しかしこれは皮膚が正常な場合で、例えばアトピーなど皮膚のバリアが弱い場合は
たとえその時は治っても、またすぐに再発してしまいます。
そのような場合は、治すことだけでなく、もう一歩踏み込んで考える必要があります。
すなわちスキンケアにより、皮膚そのものの防御を強めることで、皮膚病の再発を防ぐ
という考え方です。
そこでまず皮膚の構造ですが、正常な犬の皮膚は、表皮、真皮、皮下織で作られています。
バリアとして最も重要なのは表皮、特に一番外側にある角質層です。
角質層はすでに死んでしまった角質細胞がぴったりとシート状にくっついて何層にも重なり、
さらに間に脂質(セラミドなど)が挟まれています。
これが強力なバリアとなって体を外界のさまざまな物質から守っています。しかし、そのバリア機能が
壊れると外界からいろいろなものが体に侵入し、皮膚を壊してしまい症状が出てきます。
スキンケアは、その壊れた角質層を保護してバリア機能を補うことを目的としているのです。
実際のスキンケアの方法ですが、まず皮膚のチェックを行います。
これは診察にて皮膚の状態(赤い・フケが多い・かさぶたがあるなど)を確認し、皮膚の検査を
行います。
検査では皮膚病の原因となる細菌・カビ・寄生虫等の有無や、異常な細胞がないかなどの
チェックをします。
特にアトピー性皮膚炎の場合、すでに死んでしまった細胞である角質細胞が主体の角質層に、
本来見られないはずの生きた細胞、すなわち有核細胞が出てきます。
この有核細胞の量により、皮膚のバリア機能の低下について調べることができます。
皮膚のチェックにより原因が分かった場合、原因に応じた薬剤・シャンプーを選択していきます。
スキンケアでのシャンプーは、しっかりとした洗浄力があり、安全な成分でできていて、
かつ皮膚残留の少ない皮膚に刺激をあたえないものを選択します。
さらにスキンケアで重要なのが保湿になります。皮膚は乾燥すると、コンディションが悪化
するためかゆくなり、バリア機能も低下するため皮膚病原因物質の侵入を許してしまいます。
そこでシャンプー後に適切なリンス剤を用いることで、水分保持に必要な天然保湿因子と
バリアとして働く油脂を補い、コンディションを整え外界の刺激から皮膚を守りかゆみを防ぎます。
皮膚病の種類によっては、継続的なスキンケアが必要だったり、またスキンケアをすることにより
皮膚病が軽減したり、良い状態を維持できたりすることも多々あります。
皮膚病がうまくコントロールできない場合、スキンケアを検討する必要が
あるかもしれませんので一度ご相談ください。
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