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          院内で起こったおもしろい出来事、スタッフのひとこと、
          院長より皆様にお伝えしたいことを、日々更新いたします。

          当院の雰囲気や、皆様の飼っていらっしゃる動物について、
         知っていただくきっかけになればと思っております。


目次 更新日 更新者 動物種類
ヒョウモントカゲモドキの卵塞 11/11 院長 爬虫類

サンプル画像 サンプル画像
ヒョウモントカゲモドキ(豹紋蜥蜴擬、Eublepharis macularius)とは、
動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目トカゲモドキ科、
ヒョウモントカゲモドキ属に分類されるトカゲです。
ヤモリ科トカゲモドキ亜科とする説もあります。
要注意外来生物で別名レオパードゲッコウといいます。
しっぽの太くなっているところは、ラクダと同じで栄養や水分を貯めています。

    症例のヒョウモントカゲモドキは、4歳のメスで、
お腹が張っていて卵を産むしぐさをするが、卵が出ないという主訴で来院しました。

   まずビタミンDとカルシウムを与えてもらい環境に気をつけながら様子を
見てもらいましたが反応せず、2日後にオキシトシンとカルシトニン
(排卵促進剤)の筋肉注射を行いましたが、それも反応しませんでした。
そこで4日後に外科手術に踏み切りました。

外科的治療ですが、爬虫類は術中の低体温症になりやすいため、
必ずヒーターなどで温めながら手術に臨みます。
また、麻酔時に温度を22〜30℃に保てば、導入も速やかで、回復も早くなります。
ただし、覚醒時に温度を上昇させると麻酔の血中濃度が上昇し、
かえって麻酔が深くなるため、覚醒時には変化させないようにします。
また可能であれば、術前数日間休餌をしておくといいです。

皮膚切開ですが、鱗をなるべく切らずに鱗の間で行います。
トカゲ類の場合、大きな腹側腹静脈が正中線に沿って腹壁を走行するため、
通常は正中切開は行わず、傍正中を切開します。
この静脈は術中は生理食塩水をしみこませたガーゼで覆うか、
生理食塩水をたらして保護します。
またトカゲ類には明確な腹膜は存在しません。そして膀胱が大きく、
膜が薄いため腹膜と間違えやすい
ので注意が必要です。

手術法ですが、 機能的卵塞の場合 卵管切開術により卵を除去します。
卵管に損傷が見られる場合(卵管癒着など)は、卵巣卵管摘出術を行います。

    今回は右側に卵材貯留が一部見られましたが、
炎症がそれほどみられなかったため、卵管切開術を行いました。
卵管の血管のなるべく無いところに切開を加え卵を摘出し、
卵材を除去し、洗浄をしました。

吸収糸による縫合は、獣腸線の場合、爬虫類は異種タンパク分解酵素を
持たない
ため分解できずに体内に残るので、ポリグリコール酸や、
ポリガラクチン、ポリプロピレン、ポリジオキサノンなどを用います。
今回はポリガラクチンで出来たバイクリルの4-0を用いました。

次に皮膚縫合ですが、爬虫類の皮膚は切開部が反転しやすいので、
わずかに外転させるように縫合します。
また皮膚の治癒は哺乳類よりもかなり遅いため、縫合糸を4週間は置くべきです。

右側卵管から1個の卵と卵材が、左側卵管からは、
癒着した2個の卵が摘出されました。

手術の翌日には、ほぼ元気を取り戻していたのと、オーナーさんが
かなり爬虫類の扱いに長けた人なので退院としました。
現在、また正常な産卵ができるようになって、ベビーも生まれたとのことです。

よかったですね!

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